「空でも地上でも大事なのはバランスだ。それを失えば土まみれの顔になる」
サスカチュワン州のナコダ族地域で生まれたThunderbirdは、何よりも先にコミュニティの重要性を母から教わった。そして幼い頃に父からエンジンについて学び、操縦法を学ぶ前にヘリコプターの仕組みを理解しろと教わった。 絶えず新たな経験を求める彼女は17歳でボールドイーグル・プログラムに参加し、基礎軍事訓練で優れた力を発揮している。コミュニティの年配者や先住民指導者からの教えを受けつつ、彼女はこのプログラムで、あることに目覚めた。それは彼女が何よりも愛すること、ナコダの生き方を維持し守ることだ。 カナダ軍入隊後、Thunderbirdは苦労の末にフライトスクールの卒業を果たす。バランスを重んじることを母から学んでいた彼女は、カナダ軍で命の奪い方を身に着けて以降、命を救う術も知らなければと感じていた。そして彼女は基礎医療訓練(カナダ軍医療訓練センター)を完了し、航空軍医としてカナダ軍に所属し続けた。
Nomadがミナ・“Thunderbird”・スカイに注目しだした時、その推薦に驚くことはなかった。スカイは実績のある軍医にして航空整備士でありパイロットであったからだ。彼女はNomadのチームにふさわしい意欲、鍛錬、気質を備えているように思える。むしろ私が驚いたのは、それまで彼女の噂を聞いたことがなかったことだ。
スカイが医療訓練で培った技術がなければ、Nomadは北での一件を生き延びられなかったかもしれない。NomadがFrostのようなハンターと交流するようになったのも、彼女との出会いに触発されたからではないかと思っている。経歴を考えるとFrostとスカイは絆を深められそうだ。スカイは家族を大事に考えており、その範囲は直接の血族に限られない。彼女は両親と同様にナコダ族コミュニティからも大きな影響と世話を受けて育ったのだ。受け継がれる知識は歴史だけでなく、そこには彼らの生活様式として実践し保護される伝統も含まれている。
全般的に見て、スカイには理解と受容から生じる感情的認識力がある。彼女が全ての行動において求めているのはバランスだ。そして彼女は世界と人間の体をエンジンにたとえて話す。まずはその目的を理解する必要があり、続いて機能を知るのである。ワイヤーが切り刻まれていたらネジで直すことはできないが、ネジは治癒する間の骨を固定することができる。上手いたとえだ。まずはよく聞き、それから解決策を探すというわけだ。とはいえ彼女にも怒る時はある。スカイが「我慢ならない」と語るのは、敬意の欠如だ。他者への敬意というものは、それが各々の生き方についてであれ、生きる権利についてであれ、彼女の信念の根幹を成している。
スカイのリスク分析はその自信と経験に基づいている。彼女がくぐり抜けた特に危険な冒険の話を聞くと、恐れ知らずなその戦術に不安を抱いてしまった。空を飛んでいる時の気分はどんなものか、アドレナリンに突き動かされているのかと尋ねてみたが、彼女は微笑んでこう答えるだけだった。「空を飛んでるみたいな気分」と… 聞き方がまずかったようだ。
– レインボー・ディレクター、DR.ハリシュヴァ・“Harry”・パンデー