「人生の悪いことばかりに気を取られていると、良いことをする機会を見落としてしまう」
ソウザはリオデジャネイロ郊外にあるノヴァイグアスにて、3人兄弟の末っ子として生を受けた。薬物の売人に兄を殺された経験から軍警察を志し、多種多様な武器や破壊工作戦術の訓練を受けた。犯罪組織による襲撃を受けたソウザは、人質として捕らえられ、酷い暴行を受ける。しかし、片目を失明する状況に陥っても、強靭な意志をもって2ヶ月間生き抜き、救出された。軍警察のモットー「死に対する勝利」をまさに具現化した存在であり、その市街戦での経験が評価され、回復を待ったのち特殊警察作戦大隊(BOPE)への入隊を認められた。犯罪組織における行動心理学の専門家として名声を高め、薬物犯罪の撲滅を目指したソウザは、いつしか犯罪組織から賞金を懸けられるほどの存在となった
ビセンテ・“Capitão”・ソウザを優秀なオペレーター足らしめる優れた献身性、集中力、分析力などの核には、彼の家族への愛がある。彼がとる全ての行動や判断は、ひとえに家族を守り、家族が生きる世界をより安全な場所にするという覚悟に裏付けされていた
結束力の強いコミュニティで育った彼は、その伝統を自分の3人の子供たちにも受け継いでいる。兄を亡くしたトラウマが未だに癒えていないのも無理はないだろう。彼は自分の長男に亡き兄と同じ名を付け、よく兄の話を聞かせては彼の記憶が忘れ去られない努力をしている。ソウザが最も幸福を感じるのは、我が家が家族で賑わい、自らの力で手に入れた平穏で安全な環境の中、また、有事の際には自ら家族を守ることができる距離でリラックスできる時間だという。[…]彼は子供たちの友人を信用していないことを認めながらも、過干渉になってしまうことを懸念している。子供たちのことは、自分の人生を自分で生きられるように賢く育てているようだが、彼にとって子供を失う恐怖は、悲劇的な過去を経験していない親と比べて極めて大きなものだろう[…]
組織に捕らわれ片目を失った後、彼を現場から外す動きがあったと耳にしたため、少々昔の話になるが、私は彼がその時の苦難についてどう感じているのかを話し合うべきだと感じた。最初のミーティングで話題に上げるような内容ではないと思ったため、別の機会を設けさせてもらった。明らかになったのは、彼という人物がその経験によって形作られたということだった。ソウザは、正義や弱者を守ることに身を捧げている。全てを捧げている。どんな時も、ギャングらの動きをつぶさに見張り、弱点を見つけようと苦心している。しかしこれは、法執行機関の人間が単独で解決できるようなタスクではない[…]
彼の比類なき強固な意志と独自に培ってきた経験は、どんな部隊においても貴重な存在となる。しかし、保護者としての役割と自己意識は分けて考えなければならない。私たちも意識しておく必要があるが、同時に彼が地に足を着けていられるように見守る必要がある
– レインボー・ディレクター、DR.ハリシュヴァ・“Harry”・パンデー